『弾き語りを録ってみたいけど、マイクは二本必要?』。歌もギターも録りたいと思うと、最初から機材が増えそうで迷いますよね。
一つのマイクで、歌とアコースティックギターを一緒に録ることはできます。ただし二つの音が混ざって残るため、後から歌だけを大きくするような調整には限界があります。
この記事では、一本で同時に録る、一本で順番に録る、入力を分けて録る方法の違いを整理します。演奏を残したいのか、後から仕上げたいのかに合わせて選んでみましょう。

一本で同時に録ると、混ざった演奏が残る
マイクは目の前の音をまとめて受け取るため、歌とギターの両方が届く位置へ置けば一緒に録れます。練習の記録や、その場の弾き語りの雰囲気を残す目的で考えやすい方法です。録音ソフトでは一本のモノラル入力として扱う構成が基本になります。
この方法では、歌とギターが別のつまみで調整できるデータとして残るわけではありません。録った後にギターだけ小さくすることを前提にせず、マイク位置と演奏のバランスを先に決めます。一本で録れることと、後から自由に分けられることを区別しましょう。
位置は、歌とギターのどちらが強いかで探す
普段の姿勢で座り、口とギターの両方にマイクが向く場所から短く録ります。一本の決まった高さをすべての人に当てはめるより、自分の声量、ギターの鳴り、マイクの指向性を見ながら位置を探します。まずは歌と伴奏が両方分かるかを聴いてください。
ギターばかり大きいなら、マイクを口寄りにする、歌とギターへの向きを少し変えるなど一つずつ試します。口へ近づけすぎるとギターとのバランスが変わり、離すと部屋の響きが増える場合があります。距離を変えるたびにGAINも確認し、音割れを避けましょう。
仕組み・条件の参考:RØDE:アコースティックギターのマイク位置と録音方法。
サウンドホールへ近づけるだけで決めない
アコースティックギターの音はサウンドホールだけから出ているわけではありません。そこへ近づけると低音が強く出て、歌を隠す場合があります。ギター単体の音を少し録って、ネックとボディの境目付近など、向きを変えた場合と比べると判断材料になります。
一本で歌も録る場合は、ギター単体に理想的な位置が弾き語り全体にも合うとは限りません。まず演奏を合わせて聴き、歌詞が分かるかを確認します。低音の迫力だけで位置を決めず、声の言葉とストロークが両立する場所を探しましょう。

同じマイクで、ギターと歌を順番に録る方法
後から歌とギターを別々に調整したいなら、先にギターを録り、それをヘッドホンで聴きながら歌を重ねる方法があります。同じマイクを使い回しても、別のタイミングで別トラックへ録れば、音量や効果をそれぞれ扱える構成になります。
二回目の録音では、伴奏の再生音を新しい入力へ混ぜないことが大切です。入力機器のループバックやソフト内の設定を確認し、歌のトラックを単独再生してみてください。ヘッドホンから漏れた伴奏がマイクへ入ることもあるため、必要以上に大きくしないようにします。
| 録り方 | 向いている目的と制約 |
|---|---|
| 一本で同時 | すぐ演奏を残す。後から分けにくい |
| 一本で順番 | 別々に調整。演奏を重ねる準備が必要 |
| 複数入力で同時 | 同時演奏を別データへ。かぶりは残り得る |
歌用とギター用を分ける場合に必要なもの
同時演奏を別々の入力で録るなら、歌用マイクとギター用マイク、または出力端子のあるギターと歌用マイクを使う構成があります。受ける入力の数に加え、パソコンへ独立して送れる音の数が必要です。ミキサーの入力端子数だけで判断しないでください。
マイクを二本にしても、歌用がギターを、ギター用が歌を拾う『かぶり』は残り得ます。データが二つに分かれることと、音が完全に分離することは別です。各入力を単独で聴き、どこまで調整したいかに合う分かれ方かを確認しましょう。
声とギターの大きい瞬間でGAINを決める
静かな歌い出しだけで音量を合わせると、サビで声と強いストロークが重なったときに割れる場合があります。一本で録る構成では、両方が重なる最大の部分を含めて入力を確認します。録音の上限に余裕を残してから、聴く側の音量を整えましょう。
歌の迫力を出すためにマイクへ大きく近づくと、歌とギターのバランス自体も動きます。自然な演奏を大きく崩すより、マイク位置と座る場所を決め、普段の演奏で大きい部分が収まるようにします。固定した椅子や足元の目印も再現の助けになります。
短いテストは、歌・ギター・両方の順に
まずギターを止めて歌い、次に歌を止めてギターを弾き、最後に一緒に演奏します。この比較は一本録りでも役立ち、どちらが強いか、両方が重なると割れるかを分けて聴けます。最後には小さな語尾とギターの余韻も入れてみてください。
位置を変える前と後は同じフレーズを録り、同じくらいの再生音量で比べます。録音に慣れないうちは、演奏の出来が気になって音の確認が後回しになりがちです。最初のテストは作品ではなく、歌詞とギターが分かるかを見るためのものと考えて大丈夫です。
用途に合う録り方を選んで終えよう
練習をすぐ残したいなら一本で同時録音、細かく仕上げたいなら重ね録り、同時演奏を別々に扱いたいなら複数入力が候補です。どれが本格的かより、残したいものと準備の負担が合っているかで考えると選びやすくなります。
一曲を通して録れるようになったら、プロジェクトと音声ファイルを保存し、開き直して再生します。次回も同じ音を作れるよう、椅子、マイクの高さと向き、送信モードを控えておきましょう。機材を増やす判断は、その状態で不足を感じたところからでも遅くありません。
例:一本のマイクで練習記録を残す場合
まず椅子とギターをいつもの位置へ置き、口とギターの両方が届く位置へマイクを固定します。楽器へ当たらず、歌詞を見る動きでもマイクを避けなくてよい位置か確認してください。録音のために姿勢が苦しくなる配置は長く続けにくくなります。
ギターだけを短く弾き、次に歌だけ、最後に同じ部分を合わせて録ります。歌詞が隠れるなら口寄りへ、ギターがほとんど分からなければ楽器へ届く向きへ少し調整します。動かすたびに同じフレーズを使うと、演奏の差と位置の差を比べやすくなります。
位置が変わると、声や楽器の音量だけでなく低音や反響も変わります。入力が割れていないかを毎回確認し、再生の大きさを近づけて聴きます。大きく録れた位置が良いという判断ではなく、言葉と伴奏が両方伝わるかを見てください。
録音後に歌だけを大きくしたくなっても、一本で同時に拾った音には調整の限界があります。編集へ時間を使う前に、位置を直して録り直す方が目的に合うかを考えます。別々に仕上げたいことがはっきりしたら、重ね録りを試す段階です。
重ね録りへ進む場合も、今の一本を使ってギターを先に録れます。歌を録るときには伴奏をヘッドホンへ送り、新しいトラックに伴奏が混ざっていないかを単独再生で確認します。機材を増やす前に、残し方を変える選択肢もあると覚えておきましょう。

よくある質問
マイク二本なら完全に分けられる?
近くで同時に鳴る音は双方のマイクへ入る場合があります。別入力と完全分離は同じではありません。
普通のアコギをケーブルでつなげる?
出力端子やピックアップなどが必要です。端子がないギターは、マイクで拾う方法から考えましょう。
まとめ:できた状態を確かめて、次の一歩へ
一本でも、残し方を選べば弾き語りの録音を始められます。まずは短いフレーズで歌とギターの釣り合いを確かめ、自分が続けやすい方法を選んでみてください。
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参考にした公式情報
- RØDE:アコースティックギターのマイク位置と録音方法
- Audio-Technica:弾き語りの録音・配信機材の考え方
- RØDE:マイクのモノラル信号とステレオの違い
- Focusrite:入力GAINと録音レベルの考え方
主要な仕様・原理の資料確認日:2026年10月29日。機種・OS・ソフトの版により条件や表示は異なります。個別の操作は手元の製品の公式説明も確認してください。


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