イギリス生まれのオーディオブランド『Atomic Floyd』より発売された、
BA型とダイナミック型の2種類のドライバを搭載したハイブリッドイヤホン
『 SuperDarts +Remote SAF-EP-000013 』の音質レビューです。
最初からロックで鳴らしてくださいと言われているようなものです。
このイヤホンのパッケージにはこんな印刷が↓
イコライザをいじる人ならわかると思いますが、
これでもかってくらいにドンシャリであることを主張しています。
このイヤホンの最大の特徴である高音域の金属的なきらびやかさは、
このイヤホンしか持っていない独特のものです。
シンバルやハイハットの響きは対抗できるイヤホンが
あるのかと思えるほど素晴らしいです。
低音域の引き締まったタイトな音質と合わせて
ドンシャリの本質を射抜いた見事なものといえるでしょう。
ドンシャリと言うと『低音と高音がでかい音』なんて認識されがちですけど、
実際それだけなら、ただのうるさい雑音でしかありません。
ドンシャリに必要なのは低音と高音がいかに
輪郭を保ったまま前に出てくるかだと管理人は思うのです。
もし最近の重低音が売りのイヤホンを
普段聴いている方がこのイヤホンを聴けば、
最初は低音の量が少ないように感じるかもしれません。
しかし、しばらく聴けばその低音が
しっかりとした輪郭を持って、
曲を支えていることに気付くと思います。
ぼやけた低音を大きさだけでごまかすようなことは一切しないので、
ドンシャリでありながらも全体を見渡せる非常にクリアな音質です。
Norah Jonse『Don’t Know why』を聴いてみた
Norahの言葉の切れ端の息遣いがすごく色っぽい。
ドンシャリゆえにこの曲は不向きかなと思ったけれど、
SuperDartsのクリアな音質がいい方向に作用しているみたいです。
B&Wのヘッドホン『P5』のような全体を包む暖かい空気はないけれど、
一つ一つの音の響きがはっきり聴こえるので曲が輝いています。
NIRVANA『Smells Like Teen Spirit』を聴いてみた
カートの声はやや引っ込む代わりに楽器の音が主張しています。
ぜひバンドをやっているorやっていた人に聴いてもらいたい。
バンドでこのバランスの音作れたら間違いなくテンションあがる音です。
B&Wのイヤホン『C5』のように一つの塊になって
音が押し寄せるということはないですが、
各楽器の音がスッキリとして本当に気持ちがいいです。
とくにドラムの音質はこの価格帯(1万~3万)の
イヤホンでは群を抜いているんじゃないかと思える。
YUKI『ハミングバード』を聴いてみた
イントロのアコギのアルペジオの響きはかなり美しい。
しかしVoがのってドラムが鳴り出すと途端にバランス崩壊です(汗)
もともと曲自体がVoに比重を置いた丸めの音作りなのに
やたらとハイハットとぼやけたベースが主張するので
とても聴けたものではありません。
そう考えるとNorahの音は各楽器が
しっかりと芯を持っていたからこの曲のような
バランス崩壊を起こさなかったということか。
このイヤホンはふわっとした空気感を大事にする曲には向いてないな。
Daft Pank『One More Time』を聴いてみた
聴く前からわかってました。
ものすごくあいます!!
ドンシャリってこういうことでしょう!!
この音聴いたら重低音がうたい文句のイヤホンなんて
ただうるさいだけです。
総評
『SuperDarts + Remote SAF-EP-000013』には
見事にドンシャリの認識を覆されました。
今まで聴いていた重低音がいかに形のないものだったのか
それを思い知らされると同時に、
質のいい低音の気持ちよさのとりこになってしまいました。
自分がドンシャリ好きだと思う方には、ぜひこの音を聴いてもらいたいです。
ただ歌ものを聴いたときのバランスは当たりはずれがかなりあります、
音源のバランスによってよくも悪くもなりますのであしからず。
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